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船井本社 おすすめ書籍 文学

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実話 病父を尋ねて三百里―豊後国の二孝女物語


 
橋本 留美 (著)
2010年10月刊
出版社: 新日本文芸協会
 
 
本書は、今から二百年前の江戸時代後期に豊後国(現大分県)に実際に存在した
2人の親孝行な姉妹の実話をもとにしたノンフィクション小説です。
この物語は、二孝女研究会の方達が調査・研究した資料を著者である橋本さんが
現代版として、口語体に書き下ろしており、とても読みやすく分りやすい内容にまとめられています。
 
文末には、本書の要約内容が英訳で記されていることで、国際的にも通用する
オシャレな構成となっています。
著者の橋本さんは、にんげんクラブ会員の他にも、新日本文芸協会の理事や
出版・編集・多言語翻訳のリュウメイズ企画等幅広い活動をされており、
その経験が本書にも活かされていると思います。
 
さて、本書のあらすじですが、親孝行な姉妹が、親鸞ゆかりの地の巡礼の途上で病に倒れた
父親を連れ戻すために、豊後国臼杵藩(現大分県臼杵市)から常陸国水戸藩
(現茨城県常陸太田市)の青蓮寺まで様々な困難を乗り越えながら旅をする話となっています。
 
便利になった現代でさえ、大分県から茨城県というと飛行機を使っても長時間かかる
遠い距離です。車も電車も飛行機もなく、道も舗装されていない江戸時代に、
若い女性二人きりで歩いて病気の父親を迎えに行ったという話しには、本当に驚き感動しました。
ましてやこの姉妹はお金持ちでもなく、旅の途中では物乞いをしなければ
食べられないほどだったのです。今の恵まれ過ぎている世の中からは、
きっと考えられない程大変なことだったのだろうと思います。
 
旅では、船酔いをしたり、物取りや暴漢に襲われそうになったり...と様々な困難が
姉妹を襲いますが、あわやの所で助け船が入って大事には至りません。
文中では、それもこの姉妹の信心深さによる仏様のご加護のお蔭だと言っていますが、
それだけでなく、他人を大事に思う心、常に感謝の姿勢であることも大きな要因に
なっていると思います。
 
そんな姉妹は旅程を進めるにつれ、様々な人々と出会い、
姉妹の行動に感動したたくさんの協力や応援を得て、無事病気の父親の元へ辿り着きます。 
約7年ぶりの親子の再会シーンを読んだ時は、その情景が目に浮かび、
読み手にも熟いものが伝わりました。
 
現在、人と人との絆や人情といったものが薄くなってきているような気がする中、
本書は人として大切なものを思い出させてくれる貴重な1冊だと思います。
読み手に人との繋がり、勇気と希望、夢を叶えてくれる力も分けてくれるのではないでしょうか。
オススメの一冊です。どうぞお読みください。
                                 (にんげんクラブ会報誌2011年2月号より)
 
 

永遠の0


 
百田 尚樹 (著)
価格: ¥ 920
2009年7月刊
出版社: 講談社
 
 
 

日本人の一大事


 
佐藤 愛子 (著)
価格: ¥ 440
2009年5月刊
出版社: 集英社
 
 
本書は、作家の佐藤愛子氏が書かれた、近年の日本人に対するエッセイがまとめられています。
佐藤愛子氏といえば、皆さまご存知の通り大ベストセラー作家なので、
知らない方はほとんどいらっしゃらないかと思います。
佐藤氏の著書は何冊か読みましたが、この本は特に多くの日本人に読んでいただきたい
一冊だと感じました。
船井の新著「本物の生き方」内でも、お薦めの一冊として紹介されています。
 
本書は約200ページという比較的薄めの本であり、中に表示されている字も大きいので、
本に慣れていない方にも、とても読みやすいのではないかと思います。
一文一文がとても濃くて深い内容で、考えさせられました。
 
人によっては、著者のはっきりした考え方や物言いには、賛否両論あるかもしれませんが、
個人的には、小気味良いタッチでズバズバと切り込んでくる著者のスタイルや考え方に、
納得させられると共に、共感を覚えます。
 
本書は第1章から順番に、『なぜ、人を殺してはいけないの?』『日本人は欲バリになった』
『「親」この悲しくも重いもの』『「人間力」とは?』『覚悟ということ』『私のふしぎ』
『子供は半人前、一人前ではない』の全7章で構成されていますが、その中で特に
印象深かった内容を簡単にご紹介させていただきます。
 
第5章「覚悟ということ」では、感謝や精神性について述べられていました。
現在の日本人は与えられることが当たり前であり、感謝も謙虚も素直さも捨てた
今の日本人の「精神性」は落ちているということを、いくつかの例を挙げて語られています。
 
その上で、「精神性」の基本として、心霊・研究家の中川昌蔵(なかがわしょうぞう)先生の
言葉を紹介されています。「親切・明るく朗らかに・謙虚・素直・感謝」をしようということが、
理屈で考えることなく刷り込まれているかどうかで人間性が決まるという言葉に、とても納得しました。
 
また、第6章の「私のふしぎ」では、現代の文明の進歩について、
「人類の幸福とはどんな幸福か」を考えることをやめた上での進歩ではないのか?
目先の安楽、欲望の充足、便利、快適さを目ざすことで、人間の中で摩滅消滅していくものが
あることに気づかず、人間を退化させているのではないかということが挙げられています。
 
確かに、便利なこと、というのは、ある部分では良いかも知れませんが、マクロに見て
それが本当に人類や地球にとって良いことなのか、というのには疑問が残ります。
人として本当に大切なことを教えてくれるオススメの1冊です。ぜひお読みください。
 
                                (にんげんクラブ会報誌2011年6月号より)
 
 

孤塁の名人―合気を極めた男・佐川幸義


 
津本 陽 (著)
2008年3月刊
出版社: 文藝春秋
 
 
本書は、著者の津本陽氏が、大東流合気柔術宗範(そうはん)佐川幸義氏の道場に通い、
体験したことや、佐川氏の生涯について小説仕立てで表されています。
 
個人的には、以前から合気道に興味があったため、楽しみにしながら読み始めたこともありますが、
久しぶりに最後まで一気に読み終えられた本でした。

合気、そしてそれを極めた佐川氏の不思議な魅力を感じながら、
迫力ある道場の光景を思い浮かべることができます。
 
合気は、相手の力を無効化して投げ飛ばすという術ですが、文章で
書き表されたものを読むだけでも、そのすごさが伝わってくるので、
実際に見たり、体験したりするのはもっとすごいものだと思います。
 
実際に合気を体験したことがないので、想像の域でしかありませんが、
本書からリアルに伝わってくる情景は、合気のことをよく知らない私でも充分楽しむことができました。
 
目次としては、「魔法を見た」「合気の秘密」「コップからこぼれた水」
「体(たい)の合気」「繊細な感覚」「言外の理」「残されたもの」「彼岸からの声」
という8章から成りたっています。
 
内容は、著者が知人からの誘いで合気柔術の稽古を見るため、佐川氏の道場を訪ね、
門下生として通い始めるところから始まりますが、ページが進むにつれ、
佐川氏の伝記的小説へと移っていきます。
 
もちろん、佐川氏の話だけではなく、師である武田惣角氏の話など、佐川氏を
取りまくエピソードがたくさん盛り込まれ、興味深く読むことができました。
 
合気は、武術の一つではありますが、突き詰めていけば「気」を操るものなのではないかと思います。
文中で、相手の力を無にする技術、合気とは、力でなく、
皮膚の下の筋肉を動かせることだという表記がありました。
技をかけるためには、技術的なものだけでなく、鍛錬と直感が必要なようです。

何事でもそうだと思いますが、一つの事を追求して極めることは、
何かを超越しなければできないことではないかと思います。
 
本書は合気がメインの内容で書かれてはいますが、合気を通し、人の本質や、今の現代社会人が
忘れてかけている人切な気質など、もっと深いものを教えてくれたような気がします。

武術や合気に興味がある方はもちろん、ご興味がない方にも、
精神の本質を教えてくれるような気がする、おすすめの一冊です。どうぞお読みください。
 
                                 (にんげんクラブ会報誌2009年3月号より)

白衣の蟻たち―近未来小説医療崩壊と再生


 
水野 宏 (著)
2008年2月
出版社: ホメオシス

世にも美しい文語入門


 
愛甲 次郎 (著)
2008年1月 発行
出版社 海竜社
 
 
本書は、書き言葉である「文語」についての本です。

前半は「文語」とは何かというところから始まり、日本語の歴史について紐解きながら
言語の大切さについて提示します。

「言葉は民族の魂そのもの」であるという章では、深い共感を覚えました。

『人は各人が自ら作りあげた世界の中で住み、人の思考はほとんどが過去の記憶をベースとしている。
言葉により成り立つ知識がなければ、ものを適切に考えたり感じたりすることができない。』
という部分では、確かにその通りだと思いました。

言語を通して人間のあるべき姿、現代人が忘れてしまった
日本の美しさについて思い起こさせてくれます。

個人的に、元々文語のリズム感がとても好きなので、読む前から興味深い一冊でしたが、
読了後は更にその認識を深め、文語や言葉についての興味が高まりました。

日本人には、ぜひとも読んでいただきたい一冊です。
今の日本を本来あるべき姿へと戻すには、美しい言葉が重要なポイントになるのかもしれません。

後半では、文語の実践編として、文語形式の有名な文章が掲載されています。

「文語」の入門と実践が一つにまとまり、初心者にも分りやすく楽しめるおすすめの内容です。
ぜひお読み下さい。
 
                                 (にんげんクラブ会報誌2008年4月号より)

ものを考える人―「頭をよくする生活」術


 
渡部 昇一 (著)
2007年1月 発行
出版社 三笠書房
 
著者である渡辺昇一氏は、現在上智大学名誉教授であり、
数多くの著書を執筆されています。
人生の豊かさとは、「ものを考える力」の豊かさである、と
述べる著者から、頭を良くし、知的生活を送るコツを学ぶことができる一冊です。
 
                         (にんげんクラブ会報誌2007年2月号より)

春宵十話 随筆集/数学者が綴る人生1


 
岡 潔 (著)
2006年10月 発行
出版社 光文社
 
日本の生んだ天才数学者、故・岡潔氏が1963年に毎日新聞社に寄せた随筆集「春宵十話」。
岡氏は、生涯の研究課題となる「多変数解析函数論」の分野における難題「三大問題」に
解決を与えた世界でも有名な数学者です。
 
この本は、岡氏が、幼少期からの思い出や、日本の教育のあり方について
述べている随筆集です。天才と言われた岡氏ですが、小中学生の頃は
さほど成績がよいほうではなかったことなど、読んでいて非常に親近感がわいてきます。

40年以上も前の本ですが、今読んでも内容はとても新鮮に感じられ、多くの学びがあります。
岡氏は、この本の中で情緒が頭をつくる、と述べています。

他人の悲しみの心や、野に咲く花の美しさ、そういったことがわかってはじめて
「考える頭」が作れるのだそうです。

いまの教育は思いやりの心を育てるのを抜いているのではあるまいか・・
体ばかり発育が早まり、たくましさはわかっても、
人の心の悲しみがわかる青年がどれだけあるだろうか。

岡氏の心配した日本の未来、教育の未来を、今一度考えてみる必要がありそうだと思いました。

                                  (にんげんクラブ会報誌2007年4月号より抜粋)

流れる星は生きている


藤原 てい (著)
出版社 中央公論新社
発行 2002年07月(改定版)


空前の大ベストセラー、「国家の品格」の作者藤原正彦氏の実母の描いた戦後引き揚げの体験談。

夫と引き裂かれた妻が、6歳、3歳、1ヶ月の愛児3人を連れ、
生き抜いて日本に帰る壮絶なノンフィクションストーリー。

なんとしてでも子供たちを生きて日本に連れて帰るという強く固い決意と
大きな母親の愛情が伝わるこの作品は涙なしには読むことができません。

この本が出版されたことで、著者の夫である故・新田次郎氏が作家として立つことを決意させたという。

この物語りは戦後空前の大ベストセラーとなり、一定の年齢以上の大半の日本人は読んでいるそうだ。
読んでいなくとも、テレビドラマ化されたため、この本を知っている人は多い。

しかし現在戦後60年が過ぎ、この本を知らない日本人は増えてきた。
戦争を知らない年代の人でも、この本の力強さ、文章の美しさには心を動かされるだろう。
それほどまでに、この本からは著者の情熱が感じ取れる。

著者の藤原ていは帰国に体力を使い果たした後、病床に臥している間、
愛するこどもたちへの遺言代わりに書いたものがこの本になったそうだ。

そのためか、この本を読むと戦後引き揚げのちらさ、悲しさ、人々の理不尽さ、などが読み取れるが、
それにも増して全力で力強く生き抜くエネルギーや、本当に切羽詰まったときに
現地の人が手を差し伸べるさりげない、切ない優しさなどが感じられ、読む人を元気づける。

二度と、戦争は起こさせまい、どんな状況でも生き抜き、今を必死に生きよう、
という気持ちにさせる一冊です。

この本をお読みいただいた後に、藤原正彦氏の「国家の品格」などをあわせてお読みいただくと、
今の日本の状況についてよりいっそう勉強になると思います。
 
                                (にんげんクラブ会報誌2006年5月号より抜粋)

私の遺言


 
佐藤 愛子 (著)
2005年9月
出版社 新潮社
 
 
この本は、小説家佐藤紅緑さんを父に、詩人サトウハチローさんを兄に持つ小説家、
佐藤愛子さんの「遺言」だそうです。

佐藤愛子さんと言えば、ユーモア溢れるエッセイなどでご存知の方も多いかもしれません。

この本は、「遺言」とは書いてありますが、300ページ以上にも及ぶ、
著者の身に起こる心霊現象の体験談でした。

30年以上前から、突然やってきて足を踏み入れてしまった四次元の「扉」。
その扉のむこうは、見えない世界を認めない人には、想像もできないような
複雑な世界が広がっています。

まだスピリチュアルな現象に対して日本人の認識が閉鎖的であったさなか、
ノイローゼと思われてしまう恐怖や、家に起こる数々の怪奇現象との著者の戦いは、
さぞかし壮絶だったろうと思います。

正直に言うと夜中に読むには恐い本なのですが、「試練には真正面から取り組んでいく」という
著者の人間性や、ただごとではない霊現象にもユーモアを交えて語る著者の口調から、
なぜだか元気づけられる本でした。

著者は、ある怪奇現象をきっかけとして、数々の霊能者に会いに行き、
言われたことは全部実行している真っ直ぐな方で、生き方の参考にもなりました。

その中でも若かりし頃の美輪明宏さんや江原啓之さんとのエピソードは、とても興味深いと思いました。

「霊」の世界を信じる人も信じない人も、ぜひ読んでいただきたい1冊だと思いました。

                                 (にんげんクラブ会報誌2008年3月号より抜粋)

夜と霧 新版


 
ヴィクトール・E・フランクル (著), 池田 香代子 (翻訳)
2002年11月 刊
出版社 みすず書房
 
第二次世界大戦中、悪名高きアウシュビッツでの体験を
ユダヤ人精神分析学者が客観的に人間の心理を書き出した本。

日本では、1956年に初版が出版され名著として読み継がれている傑作。
極限の状態の中で、人間はどのような行動をとるのか、どんな感情に
なるのかが冷静な視点から書かれた本書のほうが、より人間の感情の現実味を増す。

ガス室を作る存在、そしてまた、ガス室に入れられても、祈りの言葉を
口にする存在、どちらも同じ「人間」の行動です。

この本は非常時ほど、その人間の本質が明るみに出るときはないことを、教えてくれます。
そして、どんな状況にあっても、希望を捨てず、プラス発想を心がけることが
大切だということも教えてくれます。
 
                              (にんげんクラブ会報誌2007年1月号より)

黒田如水(吉川英治歴史時代文庫 44)


 
吉川 英治 (著)
1989年11月刊
出版社: 講談社

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